ベルリンは相変わらず雪が降っている。
ここ10年来の積雪に喜んだのは束の間のこと、es reicht langsamという呟きを今はそこここで耳にする。華やかなのは街角を彩るグラフィティくらいなのもの。
観光客にはうんざり、といったところだろうか。
いつからか英語、スウェーデン語、スペイン語、フランス語ばかりが聞こえてくるようになったPrenzlauerbergやMitteで生まれ育ち、そこでバーやレストランを経営する友人達のため息が思い出された。
分からないでもないが、それでもすこし意地が悪い。思いながらこういう落書きを撮っている日本人の姿自体が風刺といった態で、目にした人からすれば面白かろうと見渡すが、残念ながら辺りに人影はなく、一面の雪、自分も足早に退散することにした。
10年以上も前、観光で訪れていたケルンの路面電車の中でドイツ人のご夫人に話しかけられた事がある。
面白い時計をしてるわね。右手につけていた巨大な太陽発電式の腕時計から話が弾み、随分長い事話し込んだ気がする。彼女が別れ際に言った事を思い出す。
そういう時計とか、珍しいものをちょっと身に付けておいてあげてね。ドイツ人は他人に興味がとてもあるのだけど、恥ずかしがりだから、ちょっとしたきっかけがないとなかなかはなしかける勇気がでないのよ。
思い出すのはきっと、自分で作ったフェルト製のラップトップケース、シガレットケースや携帯ケースのおかげでカフェや大学で見知らぬ方々にやたらと話しかけられているせいだろう。
今は店じまいをしてしまったRosenthalerstrのBellevilleでフェルト製のラップトップケースが80ユーロしていたのを目にしたのがきっかけで、これくらいなら自分で出来るだろうとFrau Tulpeでフェルトを買い、下図のiPodケースをお手本にフェルトが尽きるまであらゆるものを作った。
単純なものだが、目にすると気になる人もいるのだろう。
どこで買った?自分で?フェルトはどんな色がある?どうやって縫った?という質問から、ここをこうしたらもっといいよ、今度一緒に縫い物しようよ、というお誘いにまで発展する事も少なくない。
そういえばPrenlauerbergではカフェに座って女友達同士で編み物、というのが再びIn、流行なのだそうだ。風潮がそうさせているのかもしれない。
この程度のDIY(ともいいがたい)ものでこの反応なのだから、デコ電など持っていたら引く手数多に違いない。と書いたところで、そういえばドイツでデコ電をつくっている日本女性に関する記事を2年ほど前に読んだ事も思い出した。
aufmotzenとかpimpenとか、どこの国でも女性はいわゆるカスタマイズが好きなようである。