2010/02/21

Treptower Park



零下が続いていたベルリンだが、昨日からの晴天で雪が溶け始めている。ココアはそれでもまだ、充分美味くいただける。

巨大なアイスリンクと化した都市部では既に3人のお年寄りが転倒、打ち所が悪く亡くなった。市長であるWowereit氏への非難の声も高まっていたので、彼からしてみればほっと一息といったところだろうか。

そのWowereit氏、昨夜はベルリナーレ、クウィアー映画を対象としたTeddy Award授賞式へ出席していた。外務大臣のWesterwelle氏は現れず、また同性愛が死刑となるウガンダなどアフリカ諸国への働きかけも拒否したという事で随分槍玉に挙げられていたが、CDUとの連立政権ではなかなか難しいのでは、と思わずにはいられない。

最優秀映画賞はCholodenko監督のThe Kids are all right。監督の受賞コメントは、日本人としてはなんとも情けない気分になるものであった。

日本の配給会社の方と話したというのだが、こういった映画は難しい、なにせ日本にレズビアンはいないから、と言われたそうだ。

先進国であるにもかかわらずこういったことをいう人がまだいるのにも驚いたが、そのような国へゲイの外務大臣が赴いたときの反応を考えると、なるほどおおっぴらなカミングアウトへ二の足を踏むのも理解できる気がした。



ブランチ後は友人達と、Treptower Parkで預かっている犬の散歩。




ベルリンではGrünewaldが犬の散歩をするのに人気があるが、あまりに犬の数が多いのでむしろ疲れる、特に犬の落とし物が凄くて嫌になる、とは犬を飼う友人達の弁である。

犬畜税を全てBSI(ベルリンのゴミ収集会社)に回さなければやっていけないのではないか。やはり落とし物で溢れかえっていたTreptower Parkで元BSI職員に話を聞いてみたが、どうやらそうではないらしい。秩序局がパトロールし罰金を徴収するやり方のほうが、ドイツでは効率が良いし、むしろ合っているのかもしれない。

落とし物のせいで怒り心頭、毒入り肉団子をバラまく人間がMitteやPrenzlauerbergにはこのところ多いのだそうだから、実際深刻な問題である。


彼はそんなことはおかまいなし。無邪気に白鳥や他の犬達にちょっかいを掛けていた。

2010/02/15

Valentins Tag



14日に日付が変わる頃家中に充満する甘い匂いでふと目を覚ますと、パートナーにケーキを差し出された。

ヴァレンタインケーキだという。

初めて挑戦したというクランベリー入りのチーズケーキで、表面にもクランベリーでハートのマークが形作られている。

甘いものがすきかどうか、料理をするかどうか。

表面的なことに男女の境界線を求める事の少ない国ならではだろうか、と感心しつつも、深夜のキッチンでケーキの上に一粒一粒クランベリーを並べハートマークを作っている背中を思うと、なにやらくすぐったい笑いがこみ上げてくる。

月並みけど料理は愛情、友情だ、と先日までウチに泊まっていたアメリカの友人が朝食やらディナーやら作りながら言っていたことを思い出す。

そういえばこちらで男友達が出来ると、まずはとディナーに招いてくれる。食卓に並ぶのは手打ちのパスタだったりオレンジとカボチャのスープだったりタイ風サラダだったりと、いつも一手間かかったものだった。

誰かが自分の為につくってくれる料理は、いつもすこしくすぐったい嬉しさがある。

ケーキはその日の朝食に美味しく頂いた。

2010/02/12

DIY


ベルリンは相変わらず雪が降っている。

ここ10年来の積雪に喜んだのは束の間のこと、es reicht langsamという呟きを今はそこここで耳にする。華やかなのは街角を彩るグラフィティくらいなのもの。


観光客にはうんざり、といったところだろうか。

いつからか英語、スウェーデン語、スペイン語、フランス語ばかりが聞こえてくるようになったPrenzlauerbergやMitteで生まれ育ち、そこでバーやレストランを経営する友人達のため息が思い出された。

分からないでもないが、それでもすこし意地が悪い。思いながらこういう落書きを撮っている日本人の姿自体が風刺といった態で、目にした人からすれば面白かろうと見渡すが、残念ながら辺りに人影はなく、一面の雪、自分も足早に退散することにした。



10年以上も前、観光で訪れていたケルンの路面電車の中でドイツ人のご夫人に話しかけられた事がある。

面白い時計をしてるわね。右手につけていた巨大な太陽発電式の腕時計から話が弾み、随分長い事話し込んだ気がする。彼女が別れ際に言った事を思い出す。

そういう時計とか、珍しいものをちょっと身に付けておいてあげてね。ドイツ人は他人に興味がとてもあるのだけど、恥ずかしがりだから、ちょっとしたきっかけがないとなかなかはなしかける勇気がでないのよ。

思い出すのはきっと、自分で作ったフェルト製のラップトップケース、シガレットケースや携帯ケースのおかげでカフェや大学で見知らぬ方々にやたらと話しかけられているせいだろう。


今は店じまいをしてしまったRosenthalerstrのBellevilleでフェルト製のラップトップケースが80ユーロしていたのを目にしたのがきっかけで、これくらいなら自分で出来るだろうとFrau Tulpeでフェルトを買い、下図のiPodケースをお手本にフェルトが尽きるまであらゆるものを作った。


単純なものだが、目にすると気になる人もいるのだろう。

どこで買った?自分で?フェルトはどんな色がある?どうやって縫った?という質問から、ここをこうしたらもっといいよ、今度一緒に縫い物しようよ、というお誘いにまで発展する事も少なくない。

そういえばPrenlauerbergではカフェに座って女友達同士で編み物、というのが再びIn、流行なのだそうだ。風潮がそうさせているのかもしれない。

この程度のDIY(ともいいがたい)ものでこの反応なのだから、デコ電など持っていたら引く手数多に違いない。と書いたところで、そういえばドイツでデコ電をつくっている日本女性に関する記事を2年ほど前に読んだ事も思い出した。

aufmotzenとかpimpenとか、どこの国でも女性はいわゆるカスタマイズが好きなようである。

2010/02/05

Deutsche Küche

KreuzbergのMarkthalleと共に、時々訪れたくなるドイツ料理の店がF-HainのEnglers Unikat。

一歩足を踏み入れれば一瞬で、お婆ちゃんの家の居間にいるかのような錯覚に陥るレストランだ。

あらゆる壁という壁に油彩の風景画や肖像写真、所狭しとおかれた観葉植物、天井からは古道具や剥製がぶら下がり、飾り棚にはアンティークドールや本が無造作に立てかけられている。

ソファーにカフェテーブルの席もあれば、シンプルなキッチンテーブルの席まで様々で、とにかく一つとして同じテーブルや椅子がない。今日はどこに座ろうか、選択の幅の広さにまず入り口で立ち往生。

メニューを開けば、こちらもBerlinerischで書かれている

Wo jibs denn sowat Süß-Saure Eier-inne Soße jeplumst zu Stampfkartoffeln

Saftiges Julasch vom kapitalen Hirsch Janz zart und midde Wacholdernote und de Preisselbeerbirne uff Jenudeltem anjerichtet zur kleenen Salatjarnitur, wah

可愛らしくて、おもわずにやりとしてしまう。



オーソドックスなザウアーブラーテン。一週間つけ込んである。赤キャベツにはリンゴの他にプラムも入っていて、こんなに美味しいものだったかとおどろく。



子牛のレバークリームソース和えとシュニッツェル。



鴨の丸焼き(半身)と縮緬キャベツ。



肉料理が重すぎる場合は魚料理。
こちらは赤鯛と海老のクリームソース、サラダと揚げジャガイモ添え。

前菜やサラダ、デザートもあるけれど、一皿で充分のボリューム感。

ドイツでは鹿などの野生の肉をたべても思うが、やはり食肉の文化だろうか、肉の調理の仕方を知っているなぁとつくづく感じる。真っ赤なフィレ肉をいかにジューシー且つ柔らかく火を通すか。これが実は難しい。自宅では専らミディアムレアのステーキにおちついてしまう。

味付けも塩味は控えめ、なにより接客が良く、ちょっとした言葉のやり取りから世間話まで心地よいので、ここで過ごす時間は気心の知れた友人宅に食事へ招かれたときのような、安心感と居心地の良さがある。


Englers Unikat
Samariterstr.17 10247 Berlin
OPEN: 12:00~